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FBMで「在り方」を修正する

"生きづらさ" - その生の残響構造を探る 第42話


🌐 PRENの次に必要なもの

前回、PRENモデルを使って「生きづらさを構造として捉え直す」試みを紹介しました。
しかし、構造を分解して見直しただけでは、まだ「どう生きるか」に踏み出すことはできません。

ここで重要になるのが FBM(フレーム・バランス・モデル) です。
FBMは、私たちが世界を捉える「フレーム(枠組み)」を点検し、
その偏りを調整することで、より柔軟な在り方を作り出すためのモデルです。


🧩 フレームとは何か?

フレームとは、私たちが現実を解釈するレンズのようなものです。

  • 「仕事=成果を出す場」

  • 「家族=支え合う場」

  • 「自分=役に立たなければならない存在」

こうしたフレームは、日常を理解する助けになる一方で、
硬直すると生きづらさの温床となります。


⚖️ バランスを崩したときに起こること

FBMが示すのは、フレーム同士の「バランス」が崩れることで生じる歪みです。

  • 仕事のフレームが大きすぎて、家庭や自己のフレームを圧迫する

  • 「役に立つこと」のフレームが肥大して、存在そのものの価値を見失う

  • 社会的成功のフレームが強調されすぎて、個人の幸福が軽視される

こうしてフレームが不均衡になると、人は「自分らしさ」を失い、
「本来の在り方」から遠ざかってしまいます。


🌱 FBMによる修正とは?

FBMで在り方を修正するとは、フレームの偏りを点検し、
次のように調整することです。

  • 肥大したフレームを縮める(例:仕事の比重を減らす)

  • 見落としていたフレームを強調する(例:自己ケアや趣味の時間を重視する)

  • フレーム同士をつなぎ直す(例:仕事と家庭を「対立」ではなく「補完」として見る)

これによって、硬直した在り方はほぐれ、
新しい選択肢が見えてきます。


🪶 結びに

PRENが「生きづらさの構造を見抜くレンズ」だとすれば、
FBMは「その構造を調整する手のひら」のようなものです。

生きづらさは、必ずしも「間違った生き方」から生じるのではありません。
多くの場合、それは「偏ったフレーム」によってバランスを崩した結果なのです。

在り方を修正することは、生き方を作り直すこと。
FBMは、そのための静かな道具となります。