思想工学ブログ

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PRENモデルで自分を問い直す

"生きづらさ" - その生の残響構造を探る 第41話


🧭 いよいよ「思想工学フェーズ」へ

これまでの連載では、生きづらさを文学や社会制度、死生観の観点から見つめてきました。
しかし、「なぜ私はこう感じるのか?」という根本的な問いを解きほぐすには、
個別の事例を超えた思考のフレームが必要です。

ここからの章では、思想工学の基幹モデルである PRENモデル を用いて、
「自分を問い直す」試みに踏み出します。


⚖️ PRENモデルとは?

PRENモデルとは、思想工学が提案する「自己と世界を捉える枠組み」です。
その核には次の考えがあります。

  • Perception(知覚):世界をどう感じ取るか

  • Recognition(認識):その知覚をどう意味づけるか

  • Evaluation(評価):意味づけをどう価値判断につなげるか

  • Narrative(物語化):価値判断をどう自分の生の物語へ編み込むか

人間の行動や選択は、この連鎖の中で形づくられていきます。
PRENモデルは、私たちが「生きづらさ」をどう構造化してしまうかを見抜く道具なのです。


🧩 生きづらさをPRENで分解する

例えば「自分は役に立っていない」という苦しみをPRENで捉えると

  • 知覚:他者の視線を「批判的だ」と感じ取る

  • 認識:「私は劣っている」と自己像を固める

  • 評価:「存在価値がない」と結論づける

  • 物語:「私は不要な人間だ」という人生の筋書きをつくる

この流れが強固になるほど、生きづらさは深まります。
PRENで分解することで、「どの段階で行き詰まっているのか」を可視化できるのです。


🌱 PRENを使った問い直し

PRENモデルは「自分を責める道具」ではありません。
むしろ、自分の思考がどの段階で硬直しているかを発見するレンズです。

  • 知覚をずらせば、新しい認識が生まれる

  • 認識を問い直せば、評価が変わる

  • 評価が変われば、物語の展開も変わる

こうして、PRENは「問い直しのスイッチ」として働きます。


🪶 結びに

PRENモデルは、思想工学の最も基盤的なツールです。
それは「生きづらさ」を単なる感情論にとどめず、
構造として把握し、再編できる視点を与えてくれます。

自分の感じ方、考え方、物語化の仕方を分解して見直す。
それは、自分自身と世界の関係をもう一度組み替えることでもあります。